全体に漂う王道感「スター・ウォーズ」最新作(日刊スポーツ)

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 シリーズ最新作「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」(29日公開)を一足早く見た。

 愛すべき悪党ハン・ソロの若き日の物語。オールデン・エアエンライク(28)は、ご存じ後半生を演じたハリソン・フォード(75)より、ちょっといかつい印象だが、笑ったときの薄目の表情に「面影」を感じさせる。

 ソロが暮らすのは、さびれた惑星コレリア。帝国軍の支配下で悪党集団がばっこし、搾取される日常から恋人キーラと抜けだそうとしている。キーラ役のエミリア・クラーク(31)は「ターミネーター:新起動 ジェネシス」(15年)のサラ・コナー役が記憶に残る。今回は「お人形さん顔」の登場から、時間経過とともに後半は妖艶さをギラギラさせる。メークの妙もあるのだろうが、計算された好演だ。

 脱出シーンのカーチェイスが序盤の見せ場である。2人が乗る「エア・カー」は、キューバの街並みを走っているような古いアメ車のフォルムだ。ロン・ハワード監督(64)は、かつて俳優としてジョージ・ルーカス監督(73)の「アメリカン・グラフィティ」(73年)に出演。撮影現場で直に「スター・ウォーズ」の構想を聞いたという逸話がある。ルーカス作品の空気をしっかり継承。車のフォルムは、60年代が舞台の「アメリカン-」を思い出させる。試写を見たルーカス氏が親近感を覚えたのも分かる気がする。

 SWの原点にしっかり軸足を置いているからだろう。単に「ハン」と呼ばれていた主人公にどうして「ソロ」という名字が付いたのか。生涯の相棒チューバッカといかにして出会ったのか。初めて明かされる伝説の始まりに納得感がある。

 最高傑作と言われる「帝国の逆襲」(80年)以来、シリーズ作品を3本書いたローレンス・カスダン(69)も共同脚本に名を連ねている。エピソード・ナンバーの付いた本筋作品ではないが、全体に漂う王道感は半端じゃない。

 キーラとはぐれてしまい、行き場を失ったソロが帝国軍に入隊した辺りから、物語は急転。悪党としての生き方の師ともいうべきべケットとも出会う。演じるウディ・ハレルソン(56)が適役で、清濁併せのむ大物の匂いを漂わせる。

 ここから先の詳述は避けるが、シリーズ名物のミレニアム・ファルコン号をソロはいかにして手に入れたのか? 銀河最速のパイロットに至る過程は? 恋人キーラの運命は? 大半の疑問にはほぼ答えが出る。

 が、幕切れには「あのキャラクター」も登場。公開済みの新旧3部作の間合いをつなぐ作品としては、含みも残す。後半生の「ハリソン・ソロ」につなげる「続編」があるのかもしれない。

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