ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は「保毛尾田保毛男」騒動を取り上げる。
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ここまでくると、もはや『時代錯誤なホモやオカマ』は存在自体が差別なのでしょうか? 表面的な配慮をしてくれる世間に恩義を感じながら、当事者同士も『裏切り者』にならないよう気を遣い合う。なかなか窮屈な世の中になってきました。28年ぶりにブラウン管に帰ってきた保毛尾田保毛男ちゃん騒動を目の当たりにして、ずっと悶々としてた今週。
『ホモやオカマはNGでゲイやオネエはOK』なんて、いったい誰がいつ決めたことなのか? 「あの人“こっち”らしいよ」と手を口の横で裏返すジェスチャーや、オネエが出るとひとつ覚えのように『カーマは気まぐれ』をBGMにする演出はよくて、何故『保毛男』ちゃんはダメなのか? 過剰なほどの自重と、善意という名の偏見に塗れ、いよいよ日本も行間や心の読めない単細胞国家になってしまった……。そんな気さえします。差別や区別にも『分別』があって然るべきでしょう。『分別』というのは、無数のグラデーションの中で、その都度その都度『判断』をすることです。それが道徳であり、秩序なのだと思います。
とはいえ、ものの感じ方・受け取り方は人それぞれです。目にゴミが入っただけでも死ぬ思いをする人もいれば、ウンコを踏んだことで人気者になる人もいます。中学生だった私にとって保毛尾田保毛男は、まさに『自分のデリケート・マターに風穴を開けてくれたウンコ』みたいな存在でした。もちろん皆が皆そうではないでしょうし、嫌な記憶が蘇ってしまった人もいたかもしれません。それでも、過去を持ち出して今を否定するのは、いささか『男らしくない』感じがします。これは、生まれながらにホモだった私にとって、今も昔もいちばん言われたくない言葉です。
岸田今日子さん演じる『お姉様』の愛情をたっぷりと受け、上品にお洒落に生きていた保毛男ちゃん。当時私も、同級生から「お前もホモなの?」と訊かれた際には、「それはあくまで噂でございます」と答えられるぐらいの優雅さを持とうと思ったものです。この切り返しの感性こそが、『踏んだウンコを好機に変えられるかどうか』のサバイバル力なのだと思います。しかしながら、中学生がその機転と勇気を持つのは難しかったことも事実。それでも私は陰口を叩かれるより、たとえ揶揄やからかいだとしても、正面切って『ホモ』だ『オカマ』だと言われ、それに立ち向かう方が『男らしい』と判断する子供でした。故に、保毛男ちゃんは、私にとって『アイドル』に成り得たのかもしれません。あくまで、『そういうホモもいる』という一例ですが。
何はともあれ、『差別的なものに蓋をする』だけでは、何の意味もないことにそろそろ気付かないと。『多様性への理解と配慮』なんて聞き分けの良さそうな言葉を軽々しく口にするのなら、『普通じゃない人が隣にいる違和感』を、自分なりに分別し咀嚼する感性をもっと尊重し、磨かないと。
あなたの周りにも保毛男ちゃんはたくさんいます。それはあなたの友達かもしれない。家族かもしれない。同僚かもしれない。良い人かもしれない。嫌なやつかもしれない。誰より、それはあなた自身かもしれない。そして、何より愚かで恐ろしいのは、「自分は普通だ」と信じて疑わない傲慢さや鈍感さなのではないでしょうか?
※週刊朝日 2017年10月20日号
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ゲイホモの世界だけでも価値観が一様ではないのよ。
ミッツさん!
ありがとう!
私もホモとかオカマいわれたけど、(特に凄かったのはテストの性別欄に○○君はどこに○をつけるんですか~って大きな声で言われた(笑))あくまでもグレーにしとけば良いんじゃないのかな。
ちっちゃい頃から男漁りしてるのいないし。
でも、今は駄目なんだよね~へんにみんな精神的に年齢が低いから。
アホな日本になったもんだ。
でも、今の40代はとんねるず次世代だからあれを無かった事にはできない。
そういえば、御姉様役岸田さんだった!って嬉しくなったから。
あのコント岸田さんがいたから奥行があったんだよね~(笑)
泣きながら帰る保毛夫ちゃんと慰める御姉様。
久々に見たくなった。
フジはスポンサー関係もあるだろうけど、毅然として謝らなければ天晴れだったのに。
うちはうちですかかってこいみたいな。
そんなに嫌なら署名活動してこいや!って思う。
今はそんな時代。
それに対して逆行して圧力までかけておきながら「LGBTへの理解を深めよう」と言っている団体自体がちょっとねえ。
なお、騒いでるLGBT団体はツイッター上で荒らしで有名な人物と仲が良いようなので、社会的信用がおかれていない所であるというのは確かなようです。
こういう生き方もあるよなぁ、いていいんだよなぁと感じました。
岸田今日子さんという、無二の存在がいなくなってしまったのは、本当に惜しむべきことです。
タカさんがどういう経緯で保毛男をやることになったのかは知らないけれど。(どなたか知っている人がいれば返信お願いします)
お笑いにすることがタブーだったであろう当時としては画期的だったのでは?
今回の騒動で、まだまだ偏見が多いんだなあと実感させられました。
まさに当事者不在の論争ですね。
抗議したい気持ちもわかるけど、それが多様性を締め付けている原因でもあるんだよね。
いろんなバリアをフラットにするのは当事者の気持ちの置き方も大事ですよ。
サイレントマジョリティに振り回されて窮屈な世の中ですね。
保毛田保毛男なんかよりよっぽど現実的で問題あるんじゃないの?
保毛田保毛男みたいな虚構のキャラクターよりも普通のトークでホモをちょっと馬鹿にしてるようなトークとか流す方がよっぽど問題あると思う。
聞けば倫理的な話しあいも十分でなかったとか。窮屈な世の中なのはもはや事実なのだから、蓋をせずに戦うのか、折り合いをつけるのか。中途半端な姿勢では、肯定否定どちらの立場の人からもナメられる。
一部の圧力団体のコメントが全てのLGBTの代表者みたいなのは違和感しかない。
SNSの発達は多くの人々に発言の機会を与えたが、野放図に言いっ放しにする機会をも与えてしまった。
使い方を間違えないようにしないと大変なことになるのではと危惧する。
今の時代。
おかま?ニューハーフ?
ホモにレズ?
もう既に誰でも
身近に居ても不思議では無いと思ってるし
ちゃんとそういう人が居ることを
認識してると思う。
けど、そういう人達が
ひょっとしたら
特別視してほしいのかなって
思う事ある。
保毛尾田保毛男の事で目くじらたてる
必要も無いと思うし
フジだって謝らなくても良かったじゃないかって
思ったよ。
差別のつもりではないでしょう?
あれを見て、笑えた人だっているでしょう?
偏見の目で見てるのは
本人なんじゃないのかって思いました。
うまく言えないけど。
「※30年前当時のコントのやり取りを再現しています」的なテロップを流しても良かった気もするけど。
記事にもあるようにみんなミッツさんのように思うわけではないのは承知の上で、色んな考え方があるのを本当の意味で許容出来るようにならないとなーと思う。
今のテレビ離れは作り手にも責任があるけど、見る方もクレームとかばかりしてると窮屈になってしまいますよって…
フジテレビもわざと謝る…そして話題となって、テレビ業界にハッパをかけるような感じかな?
友達と話すとき、差別とは違う、昨日のとんねるずおもしろかったね!とポジティブな会話になりました。
単純に保毛男田保毛男のキャラクターが好きだったからです。
いつも楽しみに観ていました。
それでLGBTの方に偏見を持つようになることはありませんでした。
大人になった今でも、偏見や差別をするような気持ちはありませんし、今以上に、個々を尊重できるような世の中になってほしいと思います。
近年、色々なことに対して社会が厳しすぎるような気がしてなりません。
抗議しなかったらしなかったで団体がマイノリティーたちに叩かれる、という構図が出来そう。
つまり、抗議は自分たちの活動アピールであって、マイノリティーへの理解を深めることとは別の目的も持っているということで。
まぁ、ノイジーマイノリティーが迷惑なのは変わらないが。
今回の件も、「まだ保毛田保毛男なんてやってんのかよ。ダセーなフジは。だから視聴率落ちんだろ」と嘲笑一つで終わった問題だったと思う。
最近のメディアの報じ方や視聴者の受け留め方に違和感を感じる。
保毛田は、今の時代には、馴染ま無いのかもしれ無いが、一部の視聴者が、抗議する程の事かな?って、思います。
今のテレビでは、マツコさんやミッツさんなど、性別や趣向に関係無く、活躍されている時代だし、特定の誰かさんを指して、攻撃しているわけでも無い、キャラを演じているし、キャラに対してのやり取りなのに、現実と箱の中の世界の切り替えが出来ない人が多過ぎる。
例えば昨年流行った恋ダンス。
ある番組の中の話なのに、NHK紅白に歌い手と共演者である新垣結衣が審査員で出演してたら、一緒に踊るかのような報じ方、また視聴者もそれを楽しみにしている。アレは、ドラマという空間の中の話しなのに分かんねかなぁ〜と思う。
ヤクザや凶悪犯役で出ている役者に対しても、そんな感覚あるよね?つまり、現実と虚像を一緒にするなって、事。
最後の方の文章を読んでいたらリーガルハイの民意について語ったシーンを思いだしました。
いわゆる差別とは違うんじゃない?って違和感があったけど、ちょっと腹に落ちた感じはあるな。
確かに「保毛尾田保毛男」ってのは笑いのネタになる対象だけど、キャラの造形としてはしっかり独り立ちして卑屈さがないもんな。
もちろん、それは私の感じ方でしかないのだけれど。
当事者ならではだし、同性愛者の中も多様化してるからこその意見。
久々にスッキリしたコメント。
批判するより流せる余裕がほしいよね。
自分は普通だと優越感に浸ってるだけに見える。
今回のことでLGBTがまた誤解されてしまうのでは。
ミッツさんの言っている内容こそ重要だよね。
ウーマンラッシュアワーの村本も噛み付いてたけどLGBTは表面しか見てないよね
ここまで当事者に言い切られると納得してしまう。
という私も当事者の一人ですが。
もともと「批判派」ですし、今も「どうかな」と思うところもありますが、
ミッツさんのコメントで中々スッキリしました。
変に特別扱いして、蓋してる人たちのほうが、より差別しているように見えるよ。
この記事って、そういうことが言いたいのかな、と理解した。
それを聞いたレズビアンのもう一人の姪(当時22歳)は激怒!男はピンクを好きになってはいけないの?男らしい、女らしいって何?から始まって、こういう事から差別が始まるのよっておばあちゃんに説教し始めた。で、クリスマスは微妙な雰囲気に。
私はレズビアンに全然偏見がなかったし、レズビアンの友達の結婚式にも出てたけど、この一軒があってLGBTの人達って面倒くさいかもってちょっと思った。こういう事があって、逆に偏見とか生まれるのかもね。
その通りだと思います
でも、この言葉が届かない&届いても無視する人達があまりにも多すぎるよ。
ただ誰しもが強くない。
禿げやデブはよくて、ではなくそれもどうかと思わなくはない。
ただ、それらは自らがそれを売りにしているから双方に受け入れられるのであって、それを気にしている人に投げかける話題ではないでしょう。
保毛男が架空である以上どうしても卑下してしまう部分はあるのではないかな。
ミッツさんが声を上げることで、救われる方もいると思うのでとてもいいコラムだと思う。
善悪の判断は白か黒かではなく、一度立ち止まって考えるのが大事ですね。答えは出てませんが…
もともとこの問題は賛否両論で善悪の答えは出ない。
受け手側にも色々な意見があると思う。
批難されただけで謝るって事は、フジテレビ側がやはり差別的思想をもって制作したってことでしょう?
お笑い番組見て、理想を語る側にも、自己差別的な思想があるんでしょ?
どっちもどっち…
ワイはミッツさんの英語が好き。
芸能界だと…
1位SHELLY
2位宇多田ヒカル
3位長谷川潤/すみれ
英国英語のスラングを沢山教えて欲しい。
SchönenTagnoch!
(´・ω・`)
元々は好きだった能町さんが
少し苦手になりました。
保毛男ちゃんは、
当時のコントの中では、
悪として描かれたことはなく、
常に善として描かれていたのに、
こういう受け取り方になって、
フジテレビが遜った事が残念でなりません。
今の世の中でそんなに騒ぐ事のほどかと?
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